薬とケアで生まれるコミュニケーション
コミュニケーションが取れない状態
認知症の症状が進行した状態では、
・攻撃的行動
・暴言
・興奮状態
・鏡現象(鏡に映る自分が誰だかわからなくなる)
などのBPSDにより、認知症本人とコミュニケーションをとることが難しく、ケアなど出来る状態でないことが多いです。
投薬でコミュニケーションを取りやすくする
そこでまずは投薬によって、コミュニケーションを取りやすい状態にします。
投薬によって、
・イライラがおさまる
・周囲からの呼びかけにもはっきり答えられるようになる
といった効果が臨床現場で実証されています。
コミュニケーションを取れるようになってからケア
コミュニケーションを取れるようになることで・・
・周りの人が安心する
・本人のコミュニケーションがとれないためのストレスがなくなる。鏡現象や攻撃的行動がなくなることにつながる。
言葉によるコミュニケーションがとれなくても、手を握るや視線を合わせるなどといったコミュニケーションを取るように心がけてください。
コミュニケーションが取れるようになれば、ケアを入れやすくなりますし、ケアの効果も高まる傾向にあります。
医療とケアの連携
認知症の症状の判断分析
医師に認知症本人の正確な状態を伝えましょう。
家族だけでは限界があります。負担が緩和できるよう、医者と相談にしましょう。
認知症の症状(中核症状+周辺症状)
中核症状
・記憶障害
・見当識障害(人や場所が分からない)
・判断力低下
周辺症状BPSD
・妄想
・徘徊
・暴言、暴力
・幻覚
・抑うつ
BPSDの原因
医師と相談してなぜこのような行動や症状に至るのかを性格に分析しましょう。
BPSDの原因
・身体疾患(感染病、脱水、便秘など)
・薬物の副作用(不眠や興奮などが起こる)
・不適切な環境やケア(徘徊がおこるので閉じ込めるなど)
なぜ、起こるかを探るのがケアの第一歩です。
実際のケアのポイント
会話量の増加
情報の共有、経験の共有、患者とのコミュニケーションすることで会話量の増加を望めます。
とくに昔話をすると脳の血流が増える傾向にあります。
認知症本人は”できない人”ではない
認知症本人を”できない人”と思っていませんか?
それは認知症本人のストレスを増加させることにつながります。
認知症の人はできない人ではなくできることがある。では、なにができるんだと考える。その人を中心において考えてみる。
そういったアプローチが良質なコミュニケーションを生み、ケアの負担軽減につながります。
ケアのポイント
・認知症本人の出来ること、輝く話題を探す(その人の人生からヒントをもらう。)
・行動や表情から心の中をイメージする
・話すときやゆっくり、聴くときはじっくり
・人として尊敬する。表面にとらわれず、その人の素晴らしい点を探る
・常に笑顔で!(笑顔には笑顔が返ってきます)