認知症の診断

認知症の診断

 認知症の診断には、専門医での受診が必要です。
 認知症を診てくれるのは「精神科」「神経科」「老年科」です。最近では「物忘れ外来」を開設している病院も増えてきました。
 いきなり、専門医を受診するのに抵抗がある場合は、まずはかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょう。

 

 受診すると、まずは問診が行われます。症状が起こった時期や経緯、既往歴などを聞かれますので、付き添いの方は事前に答えられるようにしておくとよいでしょう。身体の診察も詳しく行い、神経系の異常がないかをチェックします。
 また、臨床心理テストを行い、認知機能レベルを測ります。下に記す「改定長谷川式簡易知能評価スケール」がよく使われます。
 そして、MRI検査やCT検査などによる脳画像検査を行い、脳の異常がないか調べます。脳波や脳血流を調べるSPECT検査やMIBG心筋シンチグラフィ検査を行うこともあります。

改定長谷川式簡易知能評価スケール

 改定長谷川式簡易知能評価スケールは、全9問で比較的短時間で評価できるため、認知症の診断によく使われます。

 

 30点満点です。20点以下の場合は認知症が疑い有りと判定されます。

 

1.お歳はいくつですか?(2年までの誤差は正解)
 正解なら1点。

 

2.今日は何年何月何日、何曜日ですか?
 年、月、日、曜日、それぞれ正解で1点ずつ。計4点。

 

3.私達が今いるところはどこですか?
 自発的に正解できれば2点。
 問題の後、5秒おいて、「家ですか?病院ですか?施設ですか?」の中から正しい選択をすれば1点。

 

4.これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。

 

 (以下の系列のいずれか1つで、採用した系列に印をつけておく)
 1:a)桜 b)猫 c)電車
 2:a)梅 b)犬 c)自転車

 

 言えたら各1点。計3点。

 

5.100から7を順番に引いてください。
 (「100引く7は?」「それから7を引くと?」と質問する)
 最初の答えが不正解の場合はそこで打ち切る。
 1問正解なら1点、2問正解なら2点。

 

6.私がこれから言う数字を逆から言ってください。
 (6−8−2、3−5−2−9を逆に言ってもらう)
 最初の答えが不正解の場合はそこで打ち切る。
 1問正解なら1点、2問正解なら2点。

 

7.先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってください。
 自発的に回答があれば各2点。もし回答がなければ以下のヒントを与え正解なら各1点。
 a)植物 b)動物 c)乗り物

 

8.これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください。
 (時計、カギ、タバコ、ペン、硬貨など)
 1つ正解ごとに1点、計5点。

 

9.知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
 (答えた野菜の名前を紙に記入していく。途中で詰まり、約10秒間待っても出なければそこで打ち切る)
 0〜5つ=0点、6=1点、7=2点、8=3点、9=4点、10=5点。