認知症の種類
認知症は脳が傷害されることによって発症する病気です。脳細胞が壊れたり働きが悪くなったために、さまざまな障害が起こり日常生活に支障をきたします。
認知症の原因となる病気は100種類以上あるといわれています。そのなかには治る病気もあり、原疾患を取り除くことで認知症が治ることもあります。
しかし、認知症のほとんどは脳の老化と関係した老化性認知症です。この老化性認知症は完全に治すことはできません。そこで早期発見により症状を抑えることがとても大切です。
認知症の原因は大きく3つ
認知症はその原因毎に大きく3つの種類があり、特に3大認知症と呼ばれています。
認知症を引き起こす病気のなかで最も多いのが、アルツハイマー病です。認知症の原因のおよそ50%を占めます。アルツハイマー病が原因の認知症をアルツハイマー型認知症といいます。
2番目に多いのがレビー小体病が原因の認知症です。全体の20%を占めます。レビー小体病が原因の認知症をレビー小体型認知症といいます。
3番目に多いのが脳血管性が原因の認知症です。これは脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症などで神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んでしまうために起こります。認知症の原因のおよそ20%を占めます。かつては一番多いタイプの認知症でしたが、国が生活習慣病へ対応したことにより割合がどんどん減っていきました。脳血管性が原因の認知症を脳血管性認知症といいます。
認知症の割合
- アルツハイマー型:50%
- レビー小体型:20%
- 脳血管性:20%
- その他の認知症:10%
その他には、ピック病や正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)が原因の認知症や、原因が様々な若年性認知症などがあります。
治療について
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、いずれの種類の認知症についても、残念ながら根本的に治療する方法はありません。したがって、進行をいかに遅らせるかということが治療のテーマとなってきます。そこで、抗認知症薬による薬物療法を行います。これは中核症状を抑えるための治療です。また、リハビリテーションによって認知機能を刺激したり、抗認知症薬以外の薬によって生活の質を上げたりします。
認知症の種類記事一覧
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症はもっとも多いタイプの認知症です。ドイツの精神科医であり脳の病理学者であるアロイス・アルツハイマーが発見し、1906年に最初の症例を発表しました。 以前は初老期に発病したものをアルツハイマー病、老年期に発病したものを老年痴呆と呼んで区別していましたが、今は両方ともアルツハイマ...
脳血管性認知症
脳血管性の認知症です。アルツハイマー型認知症の次に多い認知症です。男性に多くみられるタイプの認知症です。 これは脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症などで神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んでしまうために起こります。 もっとも多いのは脳梗塞がきっかけになるケースです。たとえば脳...
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多いとされている認知症です。 1912年、ドイツの脳の病理学者であったフリードリッヒ・レビーが、パーキンソン病患者の脳にレビー小体という構造物を発見しました。1976年以降、レビー小体が認知症患者の多くに出ていることが発見され、1996年にはレビー小...