抑肝散の作用
抑肝散は、本来、子供の夜泣き・疳の虫の漢方薬として有名でした。
最近は認知症の周辺症状(BPSD)を抑える効果があることが分かって来ました。
抗精神病薬の代わりとして、周辺症状を改善する効果が認められています。
使い方
抑肝散を使うことで、抗精神病薬の量を減らすことができます。
アリセプトと併用すると効果があがるとされています。
認知症の周辺症状(BPSD)への効果
漢方薬はどのように作用するか分からないものも多かったのですが、
抑肝散は最近の研究により、次のような作用により認知症の周辺症状(BPSD)に効果があることが判明しました。
- セロトニン神経系のバランスを回復。不安やうつ症状、攻撃的行動を軽減
- グルタミン酸神経系の過活動を帽子。神経細胞を保護し、興奮や不穏などを緩和
特に、幻覚、興奮、攻撃性、易刺激性(刺激に対して過敏に反応する)といった、興奮性の周辺症状の改善が認められています。
具体的な効果
興奮している人を柔らかくする
元気のない人を元に戻す。(緩和調整的な作用)
筋肉のつっぱりやこわばりを緩める
イライラ感の緩和
手足のふるえ、けいれんを抑える
子供の夜泣き・疳の虫
神経症
不眠症
上記のような効果により、認知症だけでなく、
神経症、不眠症、統合失調症、躁うつ病、てんかん、パーキンソン病などに対しても有効であることが分かっています。
医療保険が適用可です。医師に相談ください。
レビー小体型認知症にも効果あり
抑肝散はレビー小体型認知症にも有効で、特に幻覚と妄想に高い効果があります。
また、焦燥、抑うつ、不安改善にも効果があるとされています。
抑肝散の副作用
軽めの副作用
抑肝散は漢方薬ですが、少しは副作用があります。
人によっては、
- 服用時のむかつき
- 食欲減衰
が稀に見られます。
しだいに慣れることが多いですが、つらいときは医師に相談してください。
重い副作用
抑肝散による重い副作用はめったに見られません。しかし、念のため服用当初は体に変化がないか十分に観察してください。
複数の種類の薬を併用している場合は、特に、注意が必要です。医師に相談する際、その旨を伝えてください。
起こる可能性がある重めの副作用
- 血圧上昇
- むくみ
- 手足のしびれ・痛み
- 低カリウム血症
- 息切れ
- 発熱
- 発疹
- 褐色尿
- 吐き気
- 下痢