認知症予防とタバコ

タバコの悪影響 1本のタバコでトマト1個分のビタミンCが失われる

タバコは生活習慣病の引き金

タバコの煙に含まれる有害成分は約200種類に及びます。それらは、

  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫
  • がん
  • 心臓疾患
  • 脳卒中
  • 血管疾患

など、多くの生活習慣病の引き金となります。

 

受動喫煙のリスク

受動喫煙でタバコを吸わない「非喫煙者の健康」までも侵害し、妊婦の場合は自然流産や未熟児などの出産のリスクを高めます。タバコを吸っている人だけでなく、受動喫煙の人の糖尿病の発症リスクが高いこともわかってきました。

 

喫煙や受動喫煙によって亡くなる人は、日本では毎年約13万人です。これは交通事故の死亡者の約20倍にもなります。

 

美容面の悪影響

美容面からタバコの悪影響は、女性にとっては見逃せないのがシミやくすみとの関係です。
化粧品会社の調査によれば、タバコを吸う人は吸わない人より、シミやくすみの原因となるメラニン色素が、5年ほど早く増えるという報告があります。

 

ビタミンの消失

タバコを吸うと、肺や血液中のビタミンCやビタミンEが少なくなります。
ビタミンCなどは、1本のタバコで約25mgも失われます。これは小さめなトマト1個分、1日に必要なビタミンCの量の4分の1にも相当します。

研究機関が報告する喫煙のリスク

オランダのエラスムス医療センターの報告

オランダのエラスムス医療センターの疫学・生物統計教室のオット博士らは、1990年の調査開始時に55歳以上で認知症のない6870人について追跡調査を行いました。
その報告では、6870人のうち、146人が認知症を発症し、

  • 喫煙する人ほどアルツハイマー病になりやすい
  • 喫煙はアルツハイマー型認知症を発病する危険度を倍加させる

と発表しています。

 

タウブ研究所の報告

タウブ研究所(アメリカ・コロンビア大学のアルツハイマー病と加齢脳の研究)は、認知症のない1138人(平均年齢76.2歳)を平均5.5年追跡し、糖尿病、血圧、心疾患および喫煙の4要因とアルツハイマー型認知症の発病の関係について調べました。
その結果を2005年アメリカの神経学会雑誌「NEUROLOGY」において、

  • 認知症発病との関係は糖尿病と喫煙のリスクが最も高い
  • 高血圧と心臓病も関係がある

と発表しました。

 

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