脳血管性認知症

脳血管性認知症の特徴

 脳血管性の認知症です。アルツハイマー型認知症の次に多い認知症です。男性に多くみられるタイプの認知症です。
 これは脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症などで神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んでしまうために起こります。

 

 もっとも多いのは脳梗塞がきっかけになるケースです。たとえば脳梗塞で救急車に運ばれた後、3ヶ月くらいで認知症が発症したりします。高齢者の場合は、多発梗塞性認知症というものが多くみられます。これは気がつかないうちに脳に小さな梗塞がたくさんできていて、認知症が発症するというものです。

 

 脳血管性認知症では、脳のある部分が限定的に障害されます。起こった部位によって症状が違い、知的能力はまだら状に侵されます。つまり、例えば、人の名前を思い出せなくても、計算能力は衰えないなど、あることは今まで通りに行えたりします。認知機能は正常なことが多いため、人格は保たれることが多いです。その一方、ちょっとしたことで怒ったり泣いたりするというように、感情をコントロールできない感情失禁が起きやすくなります。

 

 発作の度に段階的に悪化しますので、原疾患の治療が重要になってきます。程度によってはリハビリなどによる治療で回復も期待できます。

脳血管性認知症の症状とその進行

 脳血管性認知症の進行の仕方には、いくつかのパターンがあります。

 

一時回復型

 症状が回復するパターンです。
 認知症のために活動が低下すると、症状は悪化します。そこで、原因疾患の治療をすると同時にリハビリを行うと、動作が改善されたり、意欲が出てきて、症状が改善します。

 

プラトー型

 症状が進行せずに一定の状態を確保できるパターンです。
 血管障害を興した原因をきちんと治療し、健康管理をすると、症状の進行が抑えられ、状態をキープできます。

 

階段型

 症状が階段上に悪くなっていくパターンです。
 原因疾患をきちんと治療しないと、再び発作が起こります。発作を繰り返すことにより、症状は階段を下りるように悪くなっていきます。

 

悪化型

 他の病気の併発で症状が悪化するパターンです。
 他の病気を併発することにより、認知症が一気に悪化することがあります。

 

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