認知症の薬

認知症の進行を抑制する薬(抗認知症薬)

 認知症の進行を抑制する薬(抗認知症薬)には次のようなものがあります。

 

 メマンチンは他3つと違うタイプで、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンと組み合わせることで効果があがることが発見されています。

 

副作用の可能性

 わずかですが下記のような副作用の可能性があります。
 介護の方は、薬を飲んだ後の状況を担当の医者と情報交換することが大切です。

 

【ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン】

  • 服用当初に見られる可能性のある症状:吐き気、嘔吐
  • 服用中期に見られる可能性のある:不穏、不眠、イライラ、不整脈

 

【メマンチン】
 めまい、傾眠(うとうとしていて睡眠に陥りやすい状態)

 

周辺症状(BPSD)に対する効果

 抗認知症薬は周辺症状に対しても効果を現すことがあります。しかし、周辺症状は環境の変化や不安感、疎外感などによって生じることが多いので、薬だけでなく、ケアによる対策を講じることが大切です。

漢方薬

 抑肝散という漢方薬が神経症や不眠症といった認知症の周辺症状(BPSD)を緩和する効果があることが分かってきました。
 次のような効果があります。

 

1.セロトニン神経系のバランスを回復
 不安やうつ症状、攻撃的行動を軽減します。

 

2.グルタミン酸神経系の過活動を帽子
 神経細胞を保護し、興奮や不穏などを緩和します。

 

 抑肝散の詳細はこちらです。→認知症に効く漢方薬-抑肝散

服用する際の留意事項

 抗認知症薬も漢方薬も治す薬ではなく進行を遅らせる薬です。

 

 しかし、認知症は放って置くとどんどん進行していく病気です。
 認知機能の低下を遅らせるためにも、薬を使うことは意義があることです。
 また、早期に服用を始めることで、効果が上がることもわかってきています。

 

 もちろん、薬だけでは認知症の対策は十分ではありません。
 まずは、薬を服用することにより、コミュニケーションを取りやすくして、ケアしやすい状態にすることが重要です。

その他の薬

 患者の症状に合わせて、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬などが使われることがあります。

認知症に効く薬記事一覧

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