認知症の中核症状-失語、言語障害

失語、言語障害

 認知症になると会話がだんだん不自由になってきます。これは「失語」という中核症状です。
 失語は脳の中の言葉をつかさどる領域が壊れるために起こります。

 

特徴
  • 会話を組み立てるのが難しい。
  • 他人の話す内容を理解できない。
  • 自分の考えていることをうまく言えない。
  • 日常的によく使うものの名前や、言葉が思い出せない。
  • たどたどしい話し方になる。(進行性非流暢性失語の場合)
  • 言い間違いが増える。(意味性認知症の場合)
  • 文章の読み書きが難しくなる。

 

失語の進み方

 失語は認知症の進行に合わせるように進んでいきます。

  1. 物の名前が出てこなくなる。「紙を切るもの(はさみのこと)」「書くもの(鉛筆のこと)」
  2. 「あれ」「それ」といった代名詞で説明するようになる。
  3. 言葉と意味の結び付けが難しくなる。「包丁」のことを「まないた」と言ったりする。
  4. 言い間違いが多くなる。「テレビ」を「テビレ」と言ったりする。
  5. 相手からかけられた言葉を、そのままオウム返しすることがある。
  6. 何の脈略もなく単語だけを発したりする。
  7. 認知症が進むと語彙が減り、最後は「ぎゃらぎゃらがー」のような意味不明の声を発することがある。

 

対処の仕方
  • 言葉ではなく心を感じ取るようにする。
  • 不安そうにしているときは手を握ってあげたりして、笑顔や体を使ったコミュニケーションをとるようにする。
  • 繰り返し語りかけるようにする。

 

 

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